破壊と余白。STUD MUFFINがこのカーディガンに込めたデザイン

破壊と余白。STUD MUFFINがこのカーディガンに込めたデザイン

一見すると、クラシックなVネックカーディガン。しかし、その佇まいはどこか均整が取れていない。意図的に配されたダメージ、ほつれた裾、点在する穴。このニットは「整えるために壊す」という、STUD MUFFINらしい思想を体現している。

完成されていないのではない、完成されすぎないよう、あえて崩している。そこに、このデザインの本質がある。

ローゲージが生み出す、粗さと奥行きのコントラスト

ベースとなるのは、ローゲージでざっくりと編み立てたコットンヤーン。細かな編地では表現できない、立体感と奥行きのある表情が特徴だ。

コットン素材ならではのナチュラルな風合いは、肌触りの良さだけでなく、加工を受け止めるための余白として機能している。

軽さがありながらも、羽織るだけでスタイリングの主役になる存在感。その理由は、この編地そのものが持つ表情の豊かさにある。

意図的に崩すというデザイン思想ーハードダメージ加工ー

このカーディガンを象徴するのが、随所に施されたハードダメージ加工だ。ほつれや穴はすべて一点一点、手作業で加えられており、同じものは2つとして存在しない。

ここで重要なのは、壊すことが目的ではないという点。ダメージの位置や大きさ、バランスは緻密にコントロールされており、ラフでありながらも、全体としては洗練された印象に収まっている。

着込むことでさらに表情が増し、時間とともに完成していく。この経年変化までを含めてデザインとして成立させている点に、STUD MUFFINらしい価値観が表れている。

ワイドフィットが生む、レイヤードを前提とした設計

シルエットは、全体にゆとりを持たせたワイドフィット。インナーを選ばず、Tシャツやカットソーの上からラフに羽織るだけでスタイルが成立する。

この余白のある設計は、着る人の体型やスタイリングに委ねるためのもの。完成しすぎないことで、着用者自身がスタイルを作り上げる余地を残している。

無骨さの中に潜む、STUD MUFFINのらしいアイコン

ディテールにも、ブランドの世界観が静かに刻み込まれている。

裾部分には、STUD MUFFINを象徴するドルグラフィティラベルを配置。主張しすぎない位置でありながら、ブランドを知る人には確実に伝わるサインだ。

さらに左袖には、スリーフェイススマイルパッチをセット。

ハードでグランジなボディの中に、どこかユーモラスでアイコニックな要素を差し込むことで、単なる無骨さで終わらせないバランスを生み出している。

なぜ、このデザインなのか

STUD MUFFINの服は、派手さで語られるものではない。素材の選び方、崩し方、遊び心の入れ方。そのすべてに理由があり、積み重ねがある。

「ローゲージコットンヤーン ダメージカーディガン」は、無骨さ・クラフト感・アイロニーというSTUD MUFFINのエッセンスを、最も素直に体現した一着と言える。