背中で語るという選択。STUD MUFFINがこのパーカーに込めたデザイン

背中で語るという選択。STUD MUFFINがこのパーカーに込めたデザイン

一見すると、無駄を削ぎ落としたシンプルなプルオーバーパーカー。しかし、視線を向けた瞬間、その印象は大きく変わる。

背中に浮かび上がるのは、メタルスタッズで描かれたウェービーロゴ。

この一着が記憶に残る理由は、単なる装飾ではなく、完成したデザインそのものがブランドの思想を語っている点にある。

STUD MUFFINが提案するのは、「見せるためのデザイン」ではなく「体験としてのデザイン」。このパーカーは、その考え方を体現した一着だ。

デザインは主張ではなく、思想を映すもの

STUD MUFFINのデザインに共通するのは、語りすぎない強さ。派手なグラフィックスや分かりやすいメッセージで押し切るのではなく、ディテールや配置、素材選びによって、静かに存在感を放つ。

本作でも、その姿勢は一貫している。

フロントはあくまでも抑制的にまとめ、主役はバックスタイルに託す。着ている本人よりも、ふと目にした第三者の記憶に残る。そんな距離感こそが、STUD MUFFINらしさと言える。

ワイドフィットが完成させるデザインバランス

シルエットは、肩から未幅にかけて程よく余裕を持たせたワイドフィット。リラックス感がありながら、ルーズになりすぎない絶妙なバランスに仕上げられている。

このシルエットは、背中に配置されたウェービーロゴを成立させるための重要な要素でもある。背中に十分な”面”があるからこそ、ロゴは窮屈さを感じさせず、自然に存在できる。

服とグラフィックが主従関係にならない、対等な関係性がここで完成する。

点で描かれるウェービーロゴという表現

バックスタイルに大胆に配されたウェービーロゴは、プリントではなくメタルスタッズによる表現。線でも面でもない、「点の集合」で書かれている点が特徴的だ。

遠目には控えめに、近づくと立体感と情報量が立ち上がる。

光の当たり方や視点によって表情を変え、静止したデザインでありながら動きを感じさせる。余白を活かしつつ、過度に主張しないエッジ感を生み出している。

全方位で成立するためのディテール設計

このパーカーは、背中だけで完結するデザインではない。フロントにはカンガルーポケットを配し、そのポケット部分にもスタッズを施すことで、前後どこから見てもデザインの密度に差が出ないよう設計されている。

さらに袖口には、STUD MUFFINを象徴するハート刺繍を配置。メタルスタッズによるハードな表現の中に、あえてこのアイコニックなモチーフを落とし込むことで、無骨さだけでは終わらない、ブランドらしい遊び心と余裕を感じさせる仕上がりとなっている。

スタイリングを限定しない完成度

デニムやワイドパンツと合わせた王道のカジュアルスタイルはもちろん、スラックスと組み合わせたミックススタイルにも自然に馴染む。

それは、このパーカーが「合わせやすい」だけではなく、どんなスタイルにおいても、確かな存在として成立する完成度を持っているからだ。

主張しすぎず、しかし確実に印象を残す。

そのバランスが、STUD MUFFINらしい大人のストリートスタイルにちょうどいい。

なぜこのパーカーは、納得して選ばれるのか

素材、シルエット、ディテール、ロゴ表現。
それぞれが独立しているようで、すべては1本の思想でつながっている。

このパーカーは、着た瞬間にすべてを語りつくす服ではない。着続けることで、少しずつ理解が深まっていく。

完成したデザインを通して、ブランドの考え方を体感する。そのプロセスこそが、STUD MUFFINが提供するブランド体験なのだ。