グラフィックに宿る”衝動”と”温度”。90年代カルチャーを軸にした表現
ブランドの世界観を形づくるうえで欠かせないのが、クリエティブの核となるグラフィックデザイン。その背景には、デザイナー自身が10代・20代を過ごした時期に触れてきた音楽やアート、サブカルチャーが深く影響を与えている。
ブランドのグラフィックを手がけるデザイナーの創作思想やプロセス、その独自性の源泉に迫る。
10〜20代で浴びるように触れたアメリカ音楽とアート

デザイナーのグラフィックには、若い頃に強く影響を受けたアメリカの音楽・アートカルチャーが色濃く反映されている。
特に、10代から20代にかけては、NIRVANAをはじめとした90年代のロックやグランジ、さらにアンディ・ウォーホル、アレン・ジョーンズといったアーティストの表現に深く心を揺さぶられた。
これらのカルチャーは単なる好きだったものにとどまらず、現在のグラフィック制作の中で「感情のベース」として脈々と息づいている。
アートとサブカルチャーの影響ー音楽から広がった世界ー

アートやサブカルチャーに興味を持った入口には、常に音楽があった。
好きな音楽を深く掘っていくうちに、その周辺に広がるアンダーグラウンドな文化やブートレグ作品などにも自然と惹かれるようになった。
- アンディ・ウォーホル的なポップアートの構図
- ブートレグが持つ反骨的なユーモア
- ストリートカルチャーに漂う自由で粗削りな空気感
こうしたエッセンスが、デザイナーの中でただの引用ではなく、再構築として融合し、独自のグラフィックへと昇華している。
ラフから完成まで|「感覚優先」の制作プロセス
グラフィック制作のプロセスには、決まった型がない。
手書きのラフやZINEの切り抜き、パロディデザインのコラージュなど、取り入れる手法は自由で、制作のたびに異なる流れが生まれる。
完成の基準は”感覚”です。
もう少し崩した方がいい、この違和感がちょうどいい
そう感じた瞬間が、自分とっての完成です。
計算された構図よりも、その瞬間に湧き上がる衝動や違和感の温度を信じて制作を進める。
コラージュの途中で生まれる偶然のズレや、予期しないユーモアが作品に新たなストーリーをもたらすことも多い。
各グラフィックに込められた”衝動の可視化”という思想

デザイナーにとってグラフィックは、単なる装飾ではない。
音楽・アート・カルチャーから受けた衝動や情緒を視覚化したものであり、それぞれの作品には必ず「個性的なストーリー」が紐づいている。
特に90年代の音楽やアンダーグラウンドなカルチャーは、今も心の奥に残り続けており、作品に無意識のうちに影響を与えている。
- ポップアートの構図
- ブートレグのユーモア
- ZINE特有の粗さと勢い
こうした要素をベースにしつつ、現代的な視点や自分自身の価値観を混ぜ合わせ、独自の物語に再構築していく。それがstud muffinのデザイナーのグラフィックの根底にある思想だ。
ブランドのビジュアルを特徴づける90年代ベースの再構築

stud muffinのビジュアルにおける最大の差別化ポイントは、単純なレトロや懐古に留まらない点にある。
90年代カルチャーをベースにしつつも、そのまま再現するのではなく、
「当時の空気感x現代的な感覚x自分自身の価値観」
を掛け合わせることで、今の時代にフィットするグラフィックへと生まれ変わらせている。
懐かしさと新しさが同時に存在する独自のバランスが生まれ、ブランド全体の世界観にも強い個性を付与している。